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徒然なるままに約1000文字…金融兵士→見習いコンサルの金融系戯言録

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情報銀行で個人情報を運用する時代~過剰な個人情報保護とのジレンマ~

こんばんは

浦和の民です。

 

さて、本日は表題の話題。

 

たまたまこんな記事を見つけました。

(2018/4/28確認…記事のURLが無くなってました。)

 

 

近年プラットフォーマーの台頭により、『情報=貴重な資産』との認識が世界的に広がっています。

 

したがって、情報を適正に管理し、運用する為の「情報銀行」「パーソナルデータ活用」について、その仕組みをまとめてみました。

 

1.情報銀行構想とは

 

情報銀行とは個人の様々な情報(含むオンライン、オフライン)を事業者間でやり取りする仲介業者のような概念です。

一般のメガバンク等の商業銀行が『カネ』を流通させているのに対し、情報銀行は『情報』を流通させると捉えれば、分かりやすいかと思います。


具体的な例として、イオンと富士通が以下のような取組みを行っています。pr.fujitsu.com

実験の内容は以下の通りです。

  • WEBサイトを通して自身のパーソナルデータを入力し、情報銀行に預託
  • 自身のデータを自らの意思でデータ閲覧可能者や開示範囲を設定
  • 預託されたパーソナルデータの内容や情報量、開示先に応じて情報銀行から仮想通貨が付与(管理はブロックチェーンを活用)
  • 貯まった仮想通貨はクーポン等に交換して利用可能
  • 情報利用企業は一人ひとりにパーソナライズされた広告を提供

情報を提供する個人側が情報をコントロールすることによって、インセンティブを得ることが可能な仕組みです。

現状、富士通社員のみでの実験であり、恐らく検証結果がそろそろ出る頃ですので、公表を待ちたいと思います。

 

 

2.ただ、日本人って個人情報保護に過剰ですよね?

 

一方で、昔以下のようなニュースがあった事を皆様は覚えていらっしゃいますか?

itpro.nikkeibp.co.jp

 

2013年6月、ビッグデータ分析の先駆けになる筈だったSuicaの乗降履歴活用の目的外利用についての記事です。

 

当時「気持ち悪い」「勝手に売るな」といった一般顧客からの苦情で一気に炎上してしまいました。

 

事前の詳細説明がなかったとはいえ、提供されるデータは個人情報を特定するには明らかに乏しい内容だったことに加え、特定個人と紐付かない形で渡していたようですが、これほど炎上するとはJRの担当者も想定していなかったことでしょう。

 

日本では振り込め詐欺や架空請求、迷惑メール等が一気に増加した結果、情報を秘匿化する文化が急速に醸成されたように考えられるため、個人が特定されない情報についても必要以上に秘匿化されるようになってしまったようです。

 

ただし、隠すのではなく、適正に管理する仕組みがその時期に提供できていたのであれば、日本人の考え方も変わっていたとは想定されます・・・。

 

 3.実は海外で検討が進むパーソナルデータ活用

実はエストニアでは、先進国に先駆けかなりパーソナルデータ活用が進んでいます。

日本のマイナンバーカードにあたる「国民IDカード」を活用することで、様々な手続が完了します。

その「国民IDカード」はブロックチェーンによって情報が管理されています。

 

また、公的個人認証を活用することで、個人情報を企業に渡すことなく本人確認が完結する為、企業自体も必要以上の個人情報を保有する必要がありません。

加えて、記録されている医者の受診履歴等の機微情報についても、誰にどの範囲で開示するかを詳細にコントロールすることが可能なため、大変セキュアであると言えます。

 

この仕組みが成立しているのはひとえに「個人の情報は個人に帰属すべきものである」という考えが根付いていることによると考えます。

 

エストニア以外でも欧州各国で行政、ベンチャー企業が中心となってその議論は活発になっているところです。

 

したがって、国内でもマイナンバーカードの普及やパーソナルデータの取組みが活発になることで、そのような意識が醸成され、さらなる活用が進展していくと考えられます。

 

4.今後について

 

ご紹介した実証実験結果は近日中に発表されると考えられ、結果には大変興味があるところです。

 

また、2016年12月に官民データ活用基本法、2017年5月に改正個人情報保護法がそれぞれ施行され、個人情報利活用に向けた法整備は着々と進んでいると言えます。

 

あとは、情報を提供する個人に対して、企業や行政が主体となって成功体験を重ねさせることが、利用促進の鍵になってくるのではないでしょうか。

 

マイナンバーカードの普及と合わせて、将来的に「自分のデータを自分で運用する」ことが可能となる世界の到来を筆者は期待しています。

 

 

本日はこれまで。