LIFE LOG(浦和の民のblog)

浦和の民の金融blog

徒然なるままに約1000文字…金融兵士→見習いコンサルの金融系戯言録

富裕層取引に見るメガバンクの本気~法人からリテールへの理由~

こんばんは

 

浦和の民です。

 

blogを開始してから時間がかなり経過してしまい申し訳ありませんが、今回はこちらの記事について解説いたします。

 

zuuonline.com

 

メガバンクについて、今まで力を入れてこなかった富裕層向けの態勢強化を急速に進めている状況が現れてきています。 

 

 

 

1.なぜリテールに力を入れていなかったのか?

 

そもそもなんでリテール営業に注力してこなかったかというと以下のような特性があるからと考えます。

 

・リテールの営業は手間の割には規模が小さいので後回し

いくらメガバンクとは言え、投下できる労働力は限られています。

 

また、銀行の営業プロセスは大企業であろうと富裕層であろうと実はあまり変わりません。

 

そんな中で、大企業向けのシンジケートローンや不動産流動化等、専門的な知識が求められ、かつ大きな金額が動く取引については、たとえ手数料率が低くとも収受できる手数料の金額は相対的に大きくなります。

 

であれば、1件当たりの金額が大きく、意思決定に個人の感情等不確定要素が入りづらい、大企業向けのファイナンスに注力するのは必然です。

 

・HD傘下に信託、証券がありながら、セクショナリズムが連携を妨げる

今はだいぶ薄れてきたとは言え、旧行や学閥等どこの出身か?ということをなぜか重視するような考え方がありますので、HD内でも自前主義です。連携どころかパイを奪い合う状況すらあります。

ただでさえ、他の金融機関との競合が激しい中で、内部で顧客の奪い合いも発生しているため、利益率を低下させる一因になっていると考えられます。

 

・出世が早いのは個人より法人の為、法人至上主義

上記で説明した通り、収益の柱は法人部門であり、出世のスピードも法人部門が早い傾向になります。リテールで優秀な人間がいたとしても収益の絶対額が違うため、どうしても法人担当の方が評価が高くなる傾向があります。

 

銀行は女性が働き安い職場を目指しておりますが、男性は法人、女性は個人という棲み分けは現在も根強く残っています。

 

従って女性は個人で顕著な成績を収めた場合でも収益の絶対額が少ない影響から男性よりも昇進のスピードが遅くなるのが実情です。

 

2.やむを得ない方向転換

 

リテールの推進に前向きではなかったメガバンクが、このような施策を打ったのは、銀行の収益力の落ち込みが一層激しくなっているからだろうと考えます。

 

上段で説明したとおり、今まで銀行収益の源泉は法人部門でしたが、国内企業のカネ余りを起因とした金融機関同士の競争激化により、スプレッドや手数料は大きく下落しています。

その結果、今までリソースを割いていなかったリテール、富裕層向けのサービスに力を入れざるを得ない状況に陥っています。

 

メガバンクが参入してくることによって、りそなや地銀といったリテール層の営業に注力していた金融機関は、より一層厳しい立場になることが予想されます。

 

メガバンク以外の金融機関がリテール分野で生き残っていくためには、APIの積極的な開放等を通じた富裕層向けサービスとの協業なのではないでしょうか? 

 

既存の富裕層も大事ですが、これからのデジタルネイティブ層に対して、非対面で完結するプチ富裕層向けサービスの実装等はニーズが出てくるのではないかと考えます。

そのようなプチ富裕層を富裕層へ育て、育った富裕層に対して新たな付加価値を提供するという長期的なサービス提供がリテールでは求められるべきです。なぜならば、法人は30年生きれば十分といわれる中で、個人は今や80年以上生きるため、法人よりも長い取引が期待できるからです。

 

デジタルが対応するべき顧客、プロセスと、人が対応するべき顧客、プロセスを明確に線引き、プロセスを再定義することで経営資源の効率的な活用を目指すべきと筆者は考えます。

 

本日はここまで。