LIFE LOG(浦和の民のblog)

うらわの民の金融blog

徒然なるままに約1000文字…金融兵士→コンサル戦士による金融系戯言録

あっさり終わったJスコアに哀悼の意を表する

こんばんは。

 

今年ももう終わりですが、1ヶ月に1度は更新します。

ホントはセキスペの合格の報告ができれば良かったのですが、あっさり落ちてしまったので来年夏にそちらは持ち越します。

 

今回は表題の件。

3年前になりますが、AIスコアレンディングが盛り上がり始めたときに記事を書きました。

 

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その後どうなったかというと以下の通りです。

 

 

3年半経ったので改めて考えてみたいと思います。

 

 

1.金融が行き届いている日本では無縁

 

3年前直面する課題として、「格差を助長する可能性」を書きましたが、その前に普及さえしませんでした。

記事では登録者数150万人とありますので、アーリーアダプターが触って止めた感がすごいです。

なぜこうなったかというと、アメリカや新興国と違って、ほぼ無条件で金融へアクセスできる日本という国では、スコアリングに必要な情報を提供した対価への期待が大きすぎたのだと思います。

アメリカのように信用スコアが低ければ、クレジットカードもろくに作れない国では、既存の信用調査機関が得られない情報を提供して、金融にアクセスできるようになるだけでも対価としては十分だと思いますが、日本ではそうはいきません。

 

「金利が低くお金を借りれる」程度ではもともとお金を沢山保有している高スコア顧客には全く刺さらず、情報提供の対価が十分に与えられなかったといえます。

 

2.金融はあくまで手段である

また、なんで対価が「フリーローンが安く借りれます」だったのでしょうか?

確かにいろいろなリワードは用意されていましたが、「入会金が安くなる」程度のものでは、お金借りないですよね?

例えば高級車の限定モデルのリワードとそれに付随するカーローンの金利割引、とか高級ホテルのリワードと旅行ローンの提供、とか、「ちょっと背伸びすれば手が届く」商品サービスとそれを後押しするための金融商品を提供するべきべきだったと思います。

 

金融はあくまでもそういった目的を達成するための手段であり、顧客視点でサービスや経済圏をデザインするべきでした。

 

人工知能と仲良くする人たちのイラスト

3.本気にならないなら止めたほうが良い

こういったインフラや文化を根付かせるなら、金も労力もかけて本気でやるべきです。

PayPayがいい例ですが、今まで加盟店開拓を片手間にやっていた銀行を後発で捲くるべく、キャンペーンと加盟店営業にリソースを集中投下した結果、バーコード決済というインフラが構築できたと思います。

 

スコアリングを本気で取り組むなら、「フリーローンがちょっと増えればいいかな」くらいの意気込みではなく、「スコアリングで顧客の生活を変える」くらいの熱量でリソースを投下すべきでした。

 

今後も報道されることを目的とした株価対策新規ビジネスが銀行から多数出てくるとは思いますが、数年経ってこのように総括されないように、本気で取り組んでもらいたいです。

 

長くなりましたが本日はこれまで。

 

良いお年をお迎えください。

 

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