こんにちは。
ご無沙汰しております。更新の間隔が空いてしまい申し訳ございません。
理由としては以下の通り。
- 最近本業が忙しく、なかなかまとまった時間を取れない。
- そちらでFinTech系の題材を取り上げてしまっている為、信義則的な観点で同じような記事を書けない
ほんとはコインチェックの話や、LINEの金融子会社設立等の話を取り上げたかったのですが、
さて、本日はこの話題
年末時点の統計情報が発表された話題です。
日銀がマイナス金利政策を導入して2年、銀行を起点にした金融システムのひずみが目立っている。銀行の貸出金利は下がり続け、2017年末の貸出金残高のうち金利0%台の融資は全体の62%に拡大。金融緩和が景気を下支えする効果は大きいものの、企業の資金需要を引き出すには至らず、銀行業績を下押しする面が目立つ。利ざやで稼ぐ伝統的な銀行のビジネスモデルは抜本見直しを迫られている。
1.思惑が外れたマイナス金利による融資への影響
まずは融資という銀行のコア業務について考えたいと思います。
※2/16日経新聞1面より
表を見ると、貸出金残高が26兆円増加(2015年比+6%)している一方で、貸出平均約定金利は0.164%減少(2015年比-14.8%)していることから、貸出金収益に大きな打撃を与えていることが分かります。
加えて、貸出金増加のけん引役となったものの多くは、恐らく相続対策のためのアパート建築資金であったと推測されます。
それらは不良債権貯金だと筆者は考えており、将来的な空室率増加、金利上昇時に多くの信用コスト負担、財務毀損に繋がっていくものと想定されます。
2.マイナス金利でもとにかく預ける日本国民
次に『預金』に関してみていきます。
本来的には投資に回るだろうと思われていた預金は12%増となっております。マイナス金利によって普通預金金利は1/20まで下がりましたが、預金金利を下げようと日本国民は預金を積み増してしまうことを証明してしまいました。
ここで消費者物価指数のデータを貼ります。
※総務省統計局HPより
ちょっと見づらいですが、12月は前年同月比1%上がってます。
『普通預金金利年利0.001%<1年の物価上昇率1%』
という不等式を見れば、
『普通預金に預けること=実質的な現金の0.999%目減り』
であることが分かるはずです。
普通預金に預けている理由が『安心だから。』『元本が保証されるから。』とおっしゃられている方は、自身が矛盾した行動をとっていることに気付けていないということになります。
ひとえに日本人の金融リテラシーの低さに起因するものと考えられますが、そのような事態を招いた責任は、金融教育をないがしろにしてきた国であり、適切な顧客説明をしてこなかった銀行にあると思います。(自業自得ですね)
3.激戦が予想される為替業務
国内ではKyash、Paymo、LinePay
国外ではapple、Facebook、paypalのvenmo、アリペイ、ウィーチャットペイ
個人間送金は彼らのようなスタートアップ企業にとられてしまう予感がします。
法人間の送金についても将来的には同様のソリューションによって代替される危険性をはらんでいます。
4.ではどうやって銀行は稼いでいくのか
長々と話しましたが、つまり何が言いたいかというと三大業務は壊滅的状況ということです。
銀行の三大業務のうち、『預金』『融資』の二業務については、マイナス金利政策によって血の海、『為替』についても異業種からの参入で競争激化で生き残るのは厳しい状況となっています。
こんな状況の中でどうやって稼いでいくのがいいでしょか?
ここからは想定ですが、目指すべきは『業務特化型銀行』だと筆者は考えます。
フル機能を持つからこそ、支店を持たなければいけないし、多くの行員を雇わなければいけないわけで、経営資源を数少ない業務に集中して投資することができれば、経営資源の効率的な運用が実現可能です。
リテールに特化した銀行としてスルガ銀行(第二地銀)は有名ですが、他銀行も銀行業務の切り出し(アンバンドリング)と再結合(リバンドリング)を行うことで生き残りの戦略を描べきなのではないでしょうか?
長くなりましたが、本日はこれまで。