本日はこちらの話題。
銀行員の転職希望者が急増している背景 | 読売新聞 | 東洋経済
内容を一部引用します。
人材サービス大手リクルートキャリアに転職希望者として新たに登録した銀行員数は、2017年度上期(4〜9月)に前年同期比で約3割増加し、その後も増え続ける勢いだ。超低金利に伴う銀行の収益悪化などで、人員削減への不安が高まっていることが背景にあるとみられる。
想像はついていたことですが、ついに銀行員の大脱走が始まりましたね。
約1年前に脱走を果たした人間の立場から、こういった傾向はどんな状況を招くか考えました。
支店の混乱による営業力の低下
恐らく今転職を考えている層の多くは、給与水準が一段階上がるマネジメント層の一歩手前、30歳前後が多いと想定されます。
理由としては、そこで出世レースの第一関門「最短で課長職」に到達するかどうかがわかってしまうからです。
「銀行は人事が全て!!」と某銀行ドラマで香川照之さんもおっしゃっていましたが、そこで出遅れてしまうとその先のどのタイミングでも同期によって椅子が埋まってしまいます。
それを悟ったタイミングで、外に活路を見出す銀行員が一気に増えます。
ただし、最短出世から漏れてしまった層も支店では大きな役割を担っておりますので、支店の内部は混乱し、営業力の低下を招くと想定されます。
更に悪化する人材構成のゆがみ
加えて、30歳前後はちょうどリーマンショックで採用人員を絞っていた時期にも該当するため、そもそも銀行に在籍する行員が少ないという全社的な問題も抱えています。
その状況からさらに人員が流出していくわけですから、人材構成のゆがみはさらに悪化します。
脱出の負の連鎖の始まり
営業力の低下と人材構成の悪化から、残された現場担当者(主任、係長クラス)一人当たりの業務量はさらに増えることが予想されます。
加えて、業界共通の命題である『残業時間削減』がのしかかってくるため、残される社員への業務負担は相当なものになります。
かといって、構造不況感がある銀行では大幅なベースアップも期待できない為、担当者が銀行に残るメリットは徐々に失われていきます。
このような状況に陥ると、残された銀行員も連鎖反応のように外へ活路を求めていくだろうというのが筆者の考えです。
銀行員が行うべきこと
では、今銀行員は何を行うべきか、というと二つの考え方ができると思います
- 銀行員が転職市場にあふれる前に転職を完了させる
- 同期がいなくなることをチャンスと捉え社内政治に精を出す
銀行員が持っている知識スキルなんてものは同世代横並びです。
会計士、税理士、不動産会計士みたいな士業の資格を持っていれば別ですが、その他は早く動いたもん勝ちだと考えます。
2については、選択肢としてはありだと思いますが、自社の置かれている外部環境をきちんと把握して、経営層の戦略に賛同できるかを確認した上で行動するべきです。
(筆者は前職で経営層が出していた数値計画がひどいものだったので転職を決めました。)
以下、参考に貼っておきます
1年の計は元旦にありといわれますが、銀行員の皆様もお客様が正月モードの1月中にいろいろ考えるといいと思います。
本日はこれまで。