こんにちは
本日は表題の件について。
1/4が仕組み債って。。。
— うらわの民 (@urawanotami1) 2022年9月1日
金融機関独特な短期での異動制度が牽制ではなくてモラルハザードを生んでそう。
将来損が出たとしても、その時は担当してないからね。
金融庁、地銀系証券会社に警鐘:日本経済新聞https://t.co/S4Olm9romk
収益環境が悪化する中で少しでも収益性の高い商品を売りたい気持ちはわかりますが、少し顧客本位から離れているように思います。
その要因の一つと考えられる人事異動制度について、思うところをつらつらと記載したいと思います。
なぜ銀行の人事異動は短いのか
銀行の人事異動は一般的に2〜3年と言われています。顧客からするとしょっちゅう変わる印象を持たれてしまうレベルです。
短い理由は、不正防止の観点です。
担当者と取引先との関係が長くなればなるほど、その間で属人的なやり取りが発生します。この整備された銀行システムの外で発生する属人的なやり取りが、不正の温床となり得るため、短いスパンでの異動は牽制機能を果たしていると言えます。
加えて、異動の回数が増えることで、相対的に人事部門の発言力は高まります。強い権力を持つことで昇進や昇格、待遇改善等について、従業員が大っぴらに批判することを抑える効果を発揮しているように思います。
果たして現代にあっているのか
銀行の人事異動が短い間隔に定着したのが、いつからかは定かではありませんが、銀行とその顧客の取り巻く環境に対して、現状の異動制度があっているか?と言われると疑問が残るところです。
銀行員時代、私は同じ担当を持ったのが長くても2年でした。
私の力不足も大いに影響するところですが、リレーションを構築した上で、銀行と顧客双方が納得する形でのソリューション提供をするに際して、2年という期間はあまりにも短いような気がします。
その短い期間の中でさらに、半年ごとの目標が銀行員には課せられているため、更に短期的な収益獲得に焦点が合わさってしまいます。
ただし、顧客には短期的な課題に加え、中期的、長期的に解決していくべき課題も存在しています。本来は組織全体として長期的に寄り添うべきです。
銀行の頻繁な異動と半期ごとの目標設定によって、数年後にはフォローする必要がないという事実から動機が生まれ、長期的な課題をないがしろにした銀行本位な商品提案に繋がっているように思われます。
個人的に考えるあるべき姿
長期的に寄り添っていくためには、頻繁な異動はマッチしないと考えます。
また、仕組債自体の販売を規制する動きも本質的な問題解決にはならないでしょう。
個人的には、異動を長期化した上で、顧客とのリレーションを数値化するための評価尺度(例:NPS等)を導入することが良いように思います。
リレーションが下がった場合に限り、異動や担当替え等を実施することで一定の質を担保します。それ以外の異動はポストチャレンジ制とし、原則リレーションの低下以外では異動は発生しないようにします。
異動長期化による不正の発生防止については、徹底的なデジタル化による証跡の把握、事後監査で十分なように思われます。また、リレーションの維持が評価尺度に加われば、不正を引き起こす動機も発生しづらいように考えます。
ノルマを廃止する銀行は多いですが、長期的なファンを獲得するための仕組みについてもう少し真剣に考えても良いように思います。
長くなりましたが本日はこれまで。