こんばんは
浦和の民です。
本日出ていた日経新聞の記事について。
そうはいってもノルマは残る
記事中には『販売額』に関する評価を廃止したと記載されていますが、「投信の運用残高がどれだけ増えたかを重視する」と記載されている通り、『残高増加』のノルマは依然として残るわけです。
したがって、ノルマ撤廃といってもノルマの定義が変わっただけで、実質的な目標はなくならないということです。
また、残高増加にシフトしたところで、特定商品の残高を増やした場合のインセンティブを付与することによって、実質的に、自社の儲けが大きい金融商品を販促することは十分に可能です。
したがって、これは仮説ですが、販売額ノルマ廃止後の決算では、ファンドラップ型の商品の残高が大きく伸びるのではないかと筆者は考えています。
販売員評価が難しいNPS
また今回同記事で書かれているNPS(ネットプロモータースコア)についても、金融商品販売を評価する上では問題があると筆者は考えています。
銀行から投信を購入している投資家層はどちらかといえば投資初心者が多く、銀行が進めた商品をそのまま一括で購入する層が多い傾向にあると感じています。
万が一、マクロ的な影響で全銘柄が下落した場合、多くの銀行員にマイナスの評価がつき、評価が機能しなくなる可能性があります。
また、調査が評価につながると明示されていれば、そこを高く維持するような不正も横行するでしょう。
その結果、おそらく各販売員のNPSは近似値を示すため、あくまでも評価の補助的な指標にしかなりえないと考えます。
SMBCが今後直面するであろう課題
今後彼らが解決していかなければならない課題は評価・給与制度の妥当性維持がまず挙げられます。
ストック型ビジネスは収益はどちらかというと個人ではなく組織の実績として継続されやすい傾向があります。その結果、明確に目標が降られる法人担当者が引き続き評価的には高まることになります。
ただ、一般職が減少する中で、同じ総合職間での給与の妥当性は維持しなければならず、そこの妥当性には頭を悩ませることでしょう。
また、今後の管理手数料低下圧力に対する回答も考える必要があります。
冒頭説明したストック型商品(ファンドラップ等)もランニングコストを考えれば、顧客本位と到底言えるものではありません。
したがって、早晩当局より指導が入り手数料下げの圧力が高まるはずです。
その場合、戦略を大きく見直す必要があると想定されます。
結論からすると、結局ノルマはなくならず、評価体系は定性評価要素が入り組み、複雑化するため、根本的な問題は解決されなさそうな方針転換と言えそうです。
この結果が出る2020年度3月期の決算について、継続的に追っていきたいと思います。
あまりまとまっておりませんが、本日はこれまで。
以前、ノルマ排除のための施策について書いた記事がありますので、ご興味があればご覧ください。