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うらわの民の金融blog

徒然なるままに約1000文字…金融兵士→コンサル戦士による金融系戯言録

金融サービス仲介業は流行るのか?

こんにちは

 

うらわの民です。

 

11月1日から金融サービスの提供に関する法律(金融サービス提供法)がひっそりと施行されています。

 

個人的には保険の乗合代理店が流行っているのだから、まぁそこそこの申請があるのかなぁとも思ったのですが、スタートはあまりよろしくないようです。

 

 

どのような背景でスタートした制度で、今後市民権を得るのかどうか、個人的な見解をつらつらと書いていきたいと思います。

 

 

 

本法律制定の背景

 

遡ること2017年11月、金融担当大臣より、「機能別・横断的な金融規制の整備等、情報技術の進展その他の我が国の金融を取り巻く環境変化を踏まえた金融制度のあり方について検討を行うこと」との諮問があり、金融審議会にて議論が開始されました。

 

www.fsa.go.jp

 

テクノロジーの進歩によって、顧客へスマートフォンを通して様々なサービスを提供するプラットフォーマー等が登場。窓口や電話・郵送でやり取りをしていた時代に作られた過去の法律では、総合的な金融サービス提供に際して、①複数の業態の認可を受ける必要があり大変手間でした。

 

また、過去の制度では②特定の金融機関に所属しなければならず、その影響で基本的には受けた顧客を所属先に流すことしかやらない企業側に近い存在でした。

 

その状況を前進させるために金融仲介サービス業が始まりました。

 

 

何が変わる?

 

上記①、②で記載した内容が変わり、特定の金融機関に所属せず、その金融サービス仲介業者が様々な金融機関の媒介となって、1事業者を通して様々な金融サービスの契約ができるようになります。

 

f:id:urwts:20211114155158p:plain

https://www.fsa.go.jp/common/diet/201/01/setsumei.pdf

(出所)「金融サービスの利用者の利便の向上及び保護を図るための金融商品の販売等に関する法律等の一部を改正する法律案説明資料(2020年3月金融庁)」

 

イメージにあるようにスマートフォンを使用し、一つのプラットフォーマーを通して様々な事業者にアクセスできるようになる点で、顧客の利便性も上がるように見受けられますし、仲介業を営むプラットフォーマーは顧客をさらに囲い込めるため、一見メリットが多い制度のように見えます。

 

 

 

個人的に考える問題点

 

ただ、これが流行るかというと利用者、仲介業者、金融機関それぞれの立場で問題点を抱えており、個人的にはまだまだ定着はしないのでは?と考えています。

 

金融サービス仲介業の目線

  • まず、やれることが少なすぎます。言ってしまえば自分のプラットフォームを利用していただいている自社の顧客を金融機関にほぼ送客するだけです。そのために保証金の供託やら損害賠償の対応等を行うための態勢整備を行う価値がどれほどあるでしょう?
  • 金融機関も契約の媒介程度に大金を支払うよりも、アフィリエイトで少額をコツコツ稼いだ方がよさそうです。
    ※ただし、報酬の形態によっては契約の媒介をしているとみなされるケースもあるようなので注意が必要です。

金融機関の目線

  • 今までは代理業は金融機関に所属していましたので、その間でのやり取りの大半は内部取引が多く、概ね親子関係で資金がぐるぐるしていただけでした。
  • 今回独立した金融サービス仲介業から送客を受けると、彼らに対価を支払う必要が出てきます。上述したように、既にある程度の顧客基盤を有している金融機関は、そこまで大金を支払わなくても顧客がいるので、あまり利用したくないでしょう

利用者の目線

  • 金融サービス仲介業では「高度な説明が必要なもの」は対象外です。言ってしまえば、個人に合わせたコンサルティングの結果、商品を組み合わせて提供する(たとえば、保険と運用)ようなサービスを受けることは難しそうです。金額の上限もあります。
  • リテラシーが高い人は自分で調べて済ませそうですし、低い人は多数の商品からパーソナライズされたアドバイス等を期待しているでしょうから、利用する層の検討がつきません。。。

 

まとめ

 

上記の通り、登場する関係者間のメリットが見出しにくい制度になってしまったため、スタートダッシュに失敗したのだと思います。

抜本的な改革は様々なところで軋轢を生みますが、もう少し利用者の目線に立った、それ以前に個人の金融リテラシー教育の向上等を図って、「貯蓄⇒投資」の好循環を実現してほしいものです。

 

本日はこれまで。

 

※まさかいないとは思いますが、実際にここで書かれているような事業を行われる際は弁護士に確認を取ってサービスを開始してください。

 

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ついでに規制関係の記事を貼っておきます。

 

www.urawanotami.com