こんにちは。
浦和の民です。
本日はこちらの話題。
(http://recruit-fp.co.jp/news/release/2017/1127_01.html)
ついに日本のプラットフォーマーが融資商品の提供を開始したようです
パートナーズローンの特徴
公表されている情報をまとめる以下のような特徴があるようです。
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スマートフォンを用い3ステップの操作で、最短当日の融資が可能!!
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借入申し込みと同時に可能額を即時回答(最大3,000万円)!!
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書面による資料提出が不要!!
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無担保、無保証、特に代表者保証も不要!!
加えて、個人のカードローンのように借入返済ができる極度型ローンにも対応しているため、突発的な資金需要にも対応可能です。
金利を見ると6.0%前後※と市中金利と比較した場合はやや高めな設定になっています
※HP記載の返済シュミレーションを参考
ゼロ金利政策が始まって久しい昨今において、6.0%で借りる企業がはたしているのか?と思われる方も中にはいらっしゃるかと思います。
ただ、対象としている借り手によっては十分なプライシングといえるでしょう。
借り手側のニーズは?
借り手側は意外に調達の早さを望んでいることが調査では分かっています。
日本貸金業協会が実施している下記調査から数字を引っ張ってきました
【貸金業関連資料】調査・分析レポート等(平成28年度) | 日本貸金業協会
注目したいのは2位以降の項目です。
2位「無担保で借り入れできること」 36.3%
3位「保証人を立てずに借りられること」 36.2%
4位「申し込み手順がわかりやすいこと」 33.3%
上記の項目を見ると、既存金融機関への批判とともに企業の借入ニーズが透けて見えると思います。
2,3位から考えられるのは無担保・無保証のニーズです。
昨今、金融庁が口を酸っぱく述べている「事業性評価への取り組み」からも見て取れるように、以前から金融機関は担保・保証を基本は取るスタンスで融資を実行してきました。
当局も保全に依存しない融資を声高にアピールしていますが、実際のところ。各金融機関に深く根付いた担保保証依存の考え方解消されておらず、何かと理由をつけて取得している実情が見て取れます。
続いて、4位から考えられるものは審査プロセス透明化のニーズです。
金融機関の融資審査では、金額や案件収益等個別事情によって支店内で完結しないプロセスが多数存在します。
例えば、
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決算書データを一括して入力する
- 不動産担保を別部署が評価する
- 信用保証協会の審査を受ける
- 本部審査部署に図る
このように複数部署、場合によっては外部に一部プロセスを委託するケースすらありますので、「申し込みから2~3週間見てほしい」ですとか、「あと2、3日で審査結果は出ると思います」というようなあいまいな回答をせざるを得ないのが現状です。
借り手側からすれば、1日でも早く借りたい資金であるため、審査プロセスを短縮化、明示化してほしいという要望が出てもおかしくないわけです。
上記のように、金利以外の上位3項目について訴求できているリクルートのパートナーズローンは間違いなく、事業者にとって選択肢となりうる商品と考えられます。
銀行が実現できないソリューションで差別化
また、今回の商品の強みは「あくまで顧客への付帯サービスである」点も挙げられます。
銀行の本業は金融ですが、リクルートにとっては、あくまで金融は本業をサポートする一機能でしかありません。
その考えに則れば、通常の金融機関では融資と競合してしまうクラウドファンディングといった直接金融機能も併せて提供可能となるのです。
銀行は規制業種であるが故に、自社内で対応可能な業務が限られています。
その中で解決策を見出そうと必死にもがいていますが、リクルートは顧客を起点としたサービスをラインナップすることで、顧客満足度向上を図っていると言えます。
したがって、今回の事例のようにプラットフォーマーによって銀行業務はどんどん分解され(アンバンドリング)、提供されていく未来が実現されようとしています
これからの流れは?(個人的な見解)
このような時流の中、今後国内で起こりうるものとしてEC事業者等のプラットフォーマによる金融事業本格参入が考えられます。
ZOZOTOWNのツケ払いのようなサービスが既に提供されていることを考えれば、始まっているとも言えますが、amazonや楽天が事業性融資や店舗向け決済ソリューション導入に本腰を入れ始めていることを見ると、中国のアリペイのように金融事業もEC事業者が飲み込むことが容易に想像できます。
この環境下で銀行はどのような対応を取るべきかと考えたところ以下3つが選択肢として残るのではないでしょうか?
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早期にプラットフォーマーと組んで対応を始める
⇒みずほ銀行×ソフトバンクのスコアレンディング 等 - 法人はきっぱりあきらめる
⇒スルガ銀行のように個人傾注戦略を取る - 法人向け借り換えローン専門銀行を銘打って新規開拓を捨ててしまう
⇒ネット系銀行が個人の借り換えローンで残高を伸ばしているような戦略です
プロモーションは大変でしょうが、EC事業者ローンは比較的金利が高いので短期的なニーズはあると考えます
長くなりましたので、今回はこれまで
よろしければ下記記事もご参考にして頂けると幸いです。