こんにちは
浦和の民です。
本日はこちらの話題について。
スコアリングエコノミーの号砲がなった感じだなぁ。
— 浦和の民 (@urawanotami1) June 28, 2019
>ラインも信用スコア事業開始 - Miyanichi e-press https://t.co/Hdd6rBz1rT @miyanichiさんから
ついに国内コミュニケーションツールで圧倒的なシェアを持つLINEがスコアリング事業への本格参入を決めました。思うところをつらつらと書きたいと思います。
スコアリングの普及が解決するもの
簡単にローンやサブスクが受け取れるということもあるでしょうが、結局は信用を付与することが一番の機能ではないかと筆者は考えています
現状提供されている、「メルカリ」や「Uber」で利用者がサービス提供者を採点する仕組みを横串で測れるようになる意味は大きいと思います。
現時点ではそれらのサービス内における利用者の振る舞いは判別できますが、それは1サービス内のみの振る舞いであってその人の全容を表しているわけではないため、極端な話をすれば別のサービスでも同様の行動を取る保証はどこにもありません。
その点、LINEのようなコミュニケーションを起点にあらゆるサービスを提供するプラットフォーマーのスコアリングはある種その利用者に対してお墨付きを付与する役割なるため、経済活動をより円滑に進めることが可能になると考えます
銀行が預金を預かり、その資金を誰かに貸すことで通貨を生み出す仕組みを"money creation"=「信用創造」といいますが、プラットフォーマーによるスコアリングの付与こそ、次の時代の「信用創造」になるのではないかと筆者は考えています
スコアリングが変える人間の行動
個人に付与されるスコアリングは人間の行動まで変えてしまうでしょう。
現にアリババによる芝麻信用が普及している中国では、スコアリングを悪くしないようにヒトは振る舞いを変えています。
例えば、シェアリング系のサービスを丁寧に利用する人が増えていますし、アリババ内の小口融資の返済不履行は1%未満と低くなっています。
中国国内のようにスコアリングがヒトの振る舞いを変えるほどの力を持つことで、日本人の文化そのものを変えることも可能かもしれません。
例えば、電子決済を利用する人間のスコアが上がりやすい傾向にあれば、経産省が提示しているキャッシュレス比率の80%を達成することも容易になるかもしれません。
また、日本では全く根付いていない寄付行為についても、評価を上げるようにロジックを設定すれば、政府を介さずに富の再分配が行われ、多くの社会問題を解決に導くこともできるかもしれません。
それほどにスコアリングを中心とした経済圏が形成されることによるインパクトは大きいのです。
普及にあたって直面するであろう課題
ただ、スコアリングが普及する上で直面するであろう課題は何点か挙げられます。
一つは、経済的格差を助長する可能性が考えられます。
スコアの低い層が、スコアを上げるために収入増加させようと思っても、思うような職に就くことができなかったり、事業を起こそうにも資金調達が思うようにいかなかったりと、負のスパイラルが発生し、一度はまると抜け出せなくなるでしょう。
加えて、差別やスコアリングハラスメントが発生する可能性も考えられます。
人間関係評価の延長線上で、出身学校やひいてはどこ生まれかがスコアに考慮されるような場合、東京出身がエリートである一方、別の地域出身であるがゆえに
「埼玉県民にはそこら辺の草でも食わせておけ!!」
とか
「埼玉なんか言ったら口が埼玉になる」
とか言われるもしれません。
これはあえてデフォルメしていますが、ハラスメントや小さな差別が生まれる可能性は十分に存在していると考えます。
最後に
上記のように社会を大きく変える可能性のあるスコアリングですが、ヒトの行動を変えるほどの影響がある大変繊細なものです。
それゆえに、運営事業者は高い倫理性を持ち、公共の福祉に資する活用していただき、政府も規制整備やセーフティネットの拡充等を併せて検討してもらいたいと思います。
長くなりましたが、本日はこれまで。