こんばんは。
本日はこちらの話題。
一部引用します。
みずほフィナンシャルグループ(FG)が2019年度春入社予定の新卒採用から、「創造的思考力」が優れた学生を重点的に採用する方針を固めたことが7日、分かった。預金を集めて貸出や運用に回して利ざやを稼ぐ伝統的なビジネスモデルからの脱却が課題となる中、新卒採用戦略でも“脱・銀行”を実践する。柔軟な発想力をITを活用した金融サービス「フィンテック」に生かし、手数料収入の拡大につなげる。
思ったことをつらつらと書きます。
1.「創造的思考力」とやらがある学生が銀行を選ぶのか?
確かに記事で言っていることは至極ごもっともなのですが、「創造的思考力」とやらを持った学生が選ぶのは間違いなく金融機関ではないと思います。
最近のダイヤモンドで出ていた記事を一部引用します。
要は、それまでやってきた仕事がなくなったら、その会社で一番金が稼げる仕事に社員を配置転換すると会社は発表するのだ。ところが現場の社員を、営業やITエンジニアのような「創造的な仕事」に配置転換しても、実際は戦力にはならない。結果、多くの社員が新しい仕事に定着できずに辞めていく。
結局のところ、「創造的思考力」とやらを持って入ってくる新入行員も総合職で入ってくるわけですから、銀行特有の『2,3年周期での人事異動』の影響を受け、専門性を高められないことが容易に想定されます。
コンプライアンス的な問題で止むを得ないとはよく言われていますが、結局どの上司ともうまくやれる協調性のある人間が評価されてしまうわけです。
そんな内情はもういろんなところで漏れてしまっているため、おそらく「創造的思考力」をもった就活生は銀行には来ないでしょう。
2.「支店長」を作り上げるための人事制度にも問題あり
銀行の人事制度の大半が支店長を作る事を目的としていることも問題と考えられます。
言葉を選ばずに言うと、上からのお下知に従う家臣を育てるための人事制度となっているわけです。
従って、「創造的思考力」よりも「協調性」「リーダーシップ」等が評価されて当然なわけで、組織に対する純粋な疑問や怒りを持った人間は発散する場がなく、息苦しくなって辞めていってしまいます。
3. では、どうするか?
まず変えるべきは新入社員採用ではなく、組織全体の人事・評価制度だと筆者は考えます。
異端を許容する土壌をまずは作らないと、蒔かれた種も汚染されてしまうことは容易に想定されます。
したがって、まずは行内にいる数少ない「創造的思考力」を持った行員をしっかり評価することから始めることがよろしいのではないでしょうか?
本日はこれまで。
以前にこんな記事も書いておりますので、ご参考程度に。