こんばんは。
本日は信託について。
以前、GMO銀行について紹介しました。
その中で、信託銀行は対面型チャネルを重視しているため、IT化が進んでいない旨記載しました。
そんな中、5月10日にこんなニュースリリースが出ていました。
この動きについて思うところをつらつらと書きます。
1. 設立の狙いは?
ニュースリリースより抜粋します。
レオパレス21では、全国約28,000名の当社オーナー様へ、資産形成や税務対策をサポートする「ライフステージサポートサービス」を展開しておりますが、現在の社会問題の1つである「少子高齢化」問題には、資産承継問題が内在しており、多くのレオパレス21のオーナー様より、「所有不動産を息子・娘世代に引き継ぐにあたって、レオパレス21に全面的にサポートしてほしい」という要望をいただいております。レオパレス信託を設立することにより、レオパレス21グループでは、相続や資産運用に関わるお悩みを抱えるお客様のスムーズな資産承継をサポートし、資産形成や相続対策などのコンサルティングサービスを強化いたします。
要するに、今まで信託銀行が担っていた遺言書保管・執行や不動産承継の信託スキーム立案といったものを自前でやり始めるということだと想定されます。
2. やろうとしている信託は?
実際、信託と聞くと投資信託を思い浮かべる方も多いと思いますが、レオパレスがやろうとしているのは、資産承継に関わる信託と考えられます。
彼らのHPでも取り上げられている通り、遺言の代用機能として信託を使うことによって、遺言以上に細かい条件を設定して資産を残すことができます。
そこらへんの詳しい話は説明し始めると長くなりますので、詳しい事を知りたい方は適当に本を買って読んでみてください。比較的分かりやすい内容でとっつきやすいです。
(機会があればかいつまんで説明します。)
3. 銀行もうかうかしてられない?
この動き、銀行に対してかなりインパクトがあると考えられます。
というのも、今までハウスメーカー等ができない業務であったため、案件組成の役割を銀行は担っていたからです。
また、銀行は人事異動がある為、3年に1回くらいで担当者が変わりますが、ハウスメーカーの営業はほとんど変わることがありません。
そういった意味ではハウスメーカーは銀行よりも人と人とのつながりが強い場合があります。
そのため、銀行がニーズを把握する前に、ハウスメーカーが案件を組成してしまうケースが増え、銀行が受け付ける案件の減少が想定されます。
4. まとめ
先日取り上げたIT業界に加え不動産業界からも銀行が担っていた業務への参入が増加しています。
ただ、レオパレスについてはオーナー側の不平不満をかなり聞いていますので、実際どれくらいインパクトがあるかは未知数です。
一方、他のハウスメーカーも同様の動きをとるとなると銀行への影響は計り知れません。
従って、法律的な規制が切り崩されている昨今、銀行として外部と早期に協業関係を構築し、自社のポジションを確立していく必要がありそうです。
本日はこれまで。